新型うつとは、従来のうつに対して新しく登場したうつのことを指します。「非定型うつ病」とも呼ばれ、若年層に多く見られます。新型うつは、特に自分が嫌なことをしているときに抑うつ症状が引き起こされるのが特徴です。気分の変化が大きいため自分で感情をコントロールするのが難しく、唐突に涙があふれ出してしまったり、キレてしまったりすることがあります。
従来のうつでは、朝の時間帯に憂鬱のピークが訪れ、たとえ好きなことをしているときでも気分が落ち込んでしまうのが特徴でした。それに対して、新型うつは夜の時間帯に憂鬱になり、好きなことをしているときには症状が見られません。また、従来のうつでは食欲が低下するのに対して、新型うつでは過食にはしり、体重が増えてしまうこともあります。
これらの特徴から、一見するとわがままのように見えて誤解されやすい新型うつは、周囲の方からの理解を得られないために、さらに症状を悪化させてしまうことがあります。
従来のうつは、周囲の方にも具合の悪さが伝わりやすかったため、比較的心と体の異変に気づきやすいと言えます。それに対して、新型うつは周囲の方に助けを求めたとしても、その特徴からなかなか理解を得られずに、ひとりで悩みを抱え込みやすいのです。
新型うつにかかりやすい方の特徴として、自己主張をしない“いい子”で、周りの方からの視線を気にしやすいというものが挙げられます。最近、注意力が散漫になったり、イライラしやすくなったり、怒りっぽくなったりした自覚がないでしょうか。また、夜になるとひどく落ち込み、ひとりで泣いてしまうことがないでしょうか。自分で自分の感情をコントロールできないことがないでしょうか。
その症状は、もしかしたら新型うつによるものかもしれません。身の回りの方からの理解が得られなかったとしても、心と体に異変を感じたときは、ひとりで抱え込まずに広島市の心療内科である当院にご相談ください。症状を悪化させてしまう前に、専門の医師による診察を受けることをおすすめします。